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「すごーくアッタマきた」職員のSNS投稿で町が謝罪…愚痴の書き込みどこまでOK?
2016年04月19日 10時43分

「すごーくアッタマきて、尚且つガッカリする出来事がありました!」。Facebookにそんな投稿をした千葉県東庄町の50代の女性職員について、町が「住民の方に不愉快な思いをさせてしまい申し訳ない」と謝罪する出来事があった。

女性の書き込みは3月14日付け。「肉でまちおこしをと考えて、手当たり次第ある意味がむしゃらにやったら足元掬(すく)われた」と、不満をぶちまけたようだ。投稿のプリントアウトが匿名で届き、問題が発覚した。

東庄町の総務課は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「町ではSNSに関するルールは作っておらず、個人のモラルにお願いしてきた。今回のような問題は初めてのケースであり、過去の事例も検討しながら、処分するかどうかを含めて検討中でございます」と話した。

今回の投稿が、処分対象になるとしたらどんな場合なのだろうか。また一般的に、会社員や公務員がSNSに投稿する場合、どのような投稿は認められ、認められないのだろうか。土井浩之弁護士に聞いた。

「すごーくアッタマきて、尚且つガッカリする出来事がありました!」。Facebookにそんな投稿をした千葉県東庄町の50代の女性職員について、町が「住民の方に不愉快な思いをさせてしまい申し訳ない」と謝罪する出来事があった。

女性の書き込みは3月14日付け。「肉でまちおこしをと考えて、手当たり次第ある意味がむしゃらにやったら足元掬(すく)われた」と、不満をぶちまけたようだ。投稿のプリントアウトが匿名で届き、問題が発覚した。

東庄町の総務課は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「町ではSNSに関するルールは作っておらず、個人のモラルにお願いしてきた。今回のような問題は初めてのケースであり、過去の事例も検討しながら、処分するかどうかを含めて検討中でございます」と話した。

今回の投稿が、処分対象になるとしたらどんな場合なのだろうか。また一般的に、会社員や公務員がSNSに投稿する場合、どのような投稿は認められ、認められないのだろうか。土井浩之弁護士に聞いた。

●「懲戒処分」はどんな時に?

「会社の愚痴をSNSで公開したことが、懲戒処分事由となるかどうかは、かなり微妙な問題ですね。懲戒は、まず『企業秩序』違反があり、その違反の程度に応じて処分されるものだからです」

企業秩序に違反する場合とは、具体的にどのようなケースだろうか?

「職場で嫌なことがあったという感情をアップするのは良いと思うのですが、その具体的な中身まで書き込むことはやりすぎでしょう。明らかになっていない業務命令や業務内容を逐一公開した結果、秘密事項が漏れたり、業務に支障をきたしたりすれば、『企業秩序違反』にあたるとして、懲戒処分を行う必要性も否定できないと思います。

『懲戒処分』とは、企業秩序を乱したことに対する使用者側の制裁です。労働契約において、労働者は単に労力を提供するだけでなく、企業秩序を守りながら労力を提供するという義務を負っていることになります。

懲戒処分の種類は、『戒告』などの注意処分から、『減給』、『出勤停止』という財産的な不利益が課されるもの、『懲戒解雇』といった重い処分といったように程度の違いがあります。使用者はこの程度を自由に決められるのではなく、企業秩序違反の程度に応じた重さの処分である必要があります」

●「企業秩序違反」とはどんな場合?

 「どのような場合に、企業秩序違反があるといえるかについては、その職種によって違います。また、その行為の秩序違反の程度も職種ごとに異なることになるでしょう。

例えば、私生活での軽微な交通違反は企業秩序違反とはならない職場が大半でしょう。ただ、お客さんを輸送するバス会社やタクシー会社では企業秩序違反になる可能性も出てくるかもしれません。その場合でも、運転手か事務職員か、職種によって異なるでしょう。

他にも、宅配業者の場合は、私生活上の住居侵入罪は、かなり重大な企業秩序違反となります。

地方公務員は、全体の奉仕者という観点もあるため、民間とは別考慮が必要です。しかし、処分するかどうかの判断基準としては、民間と同様かと思われます」

最後に、土井弁護士は、これからのSNS利用について次のように話した。

「憲法では『表現の自由』が保障されていますから、職場のことをアップしたら、すべて懲戒処分だというのも行き過ぎのような気もします。

各職場の服務規程の中に、SNS等での職場内部の問題の公開について、ガイドラインを作らなければならない時代になったのかもしれません。同じ行為でも職場によって企業秩序があったか否か、その程度が全く違う場合が多いからです。

何らガイドラインがない中で、抽象的な規定によって懲戒処分をすることについては、慎重に考える必要があると思われます」

(弁護士ドットコムニュース)

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