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給食は残さず食べないといけないの? 先生が強要したら「体罰」か
2014年05月01日 15時46分

食べ物の好き嫌いがある子どもに、学校はどう指導すべきだろうか。パルシステム生活協同組合連合会が昨秋おこなった調査によれば、いまの小学生とその母親で、学校の指導が違っていることがわかった。

小学生の子どもがいる30代・40代の母親1000人に「自分が子どものころ、好き嫌いで給食を残す生徒にどんな指導がおこなわれていたか」と聞いたところ、「残さず食べるように促す」が72.7%と、最も多かった。しかし、子どもの小学校ではどうかとたずねたら、21.1%にすぎなかったという。

この30年で学校給食の指導内容も大きく変化したといえそうだが、それでもまだ「残さず食べる」ことを生徒に求めている学校があるということだ。だが、給食を残さず食べることを強要しているとしたら、「体罰」と言えるのではないか。足立敬太弁護士に聞いた。

食べ物の好き嫌いがある子どもに、学校はどう指導すべきだろうか。パルシステム生活協同組合連合会が昨秋おこなった調査によれば、いまの小学生とその母親で、学校の指導が違っていることがわかった。

小学生の子どもがいる30代・40代の母親1000人に「自分が子どものころ、好き嫌いで給食を残す生徒にどんな指導がおこなわれていたか」と聞いたところ、「残さず食べるように促す」が72.7%と、最も多かった。しかし、子どもの小学校ではどうかとたずねたら、21.1%にすぎなかったという。

この30年で学校給食の指導内容も大きく変化したといえそうだが、それでもまだ「残さず食べる」ことを生徒に求めている学校があるということだ。だが、給食を残さず食べることを強要しているとしたら、「体罰」と言えるのではないか。足立敬太弁護士に聞いた。

●むりやり食べさせたら「体罰」の可能性も

「文科省の考え方によれば、体罰とは『当該児童生徒の年齢、健康、心身の発達状況、当該行為が行われた場所的及び時間的環境、懲戒の態様等の諸条件を総合的に考え、個々の事案ごとに判断する』とされています。

つまり、体罰か否かの明確な線引きはなく、これらの事情を考慮しながら、ケースバイケースで判断するということになります」

足立弁護士はこう説明する。具体的に、給食の指導で体罰にあたる場合もあるのだろうか。

「給食を食べない児童に対して、むりやり口に押し込むとか、はき出した物を食べさせるといった指導がおこなわれたとすれば、体罰と評価されるでしょう」

しかし、給食を残さず食べさせるため、完食するまで席に座らせるのは、「体罰にならない」という。なぜだろうか。

「指導の対象となっているのは、心身が未発達の小学生です。さらに、学校給食は完食することを前提に栄養を考えられています。

そうだとすれば、完食するまで給食は終わっていないとして、児童をその場に残すという指導法は、場所的・時間的にも、態様としても、著しく不当とはいえません」

●「好き嫌いをなくす」という目的にあっていない?

では、「食べ終わるまで座らせ続ける」という指導は妥当なのだろうか。

「体罰ではないからと言って、これが適切な指導かと言われれば、そうではないと思います。

食べ物の好き嫌いは学校教育だけで解決するものではなく、家庭での食育との連携が必要です。また、嫌いなものをむりやり食べさせたとしても、ますます嫌悪感が強くなるだけでむしろ悪影響でしょう。

『好き嫌いをなくす』という目的とマッチしておらず、指導法として不適切でしょう」

パルシステムの調査によれば、いまの小学校でもっとも多い指導法は、「少しずつでも食べられるように促す」(72.0%)だという。「全部」ではなく「少しずつ」。これなら子どもも受け入れやすいかもしれない。

(弁護士ドットコムニュース)

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