11169.jpg
タッパー持参したのに容器代請求された!「テイクアウトは一律30円頂きます」こんなのアリ?
2023年11月02日 09時58分

テイクアウトのうどんを注文したら、利用していない容器代を上乗せした料金を請求された——。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者は、よく利用するうどん店で、店側のテイクアウト用容器ではなく、「タッパーを持参して、麺のほかにネギや天かすを入れてもらってます」といいます。

しかし、精算時に容器代として「30円」が計上されていました。相談者によると「おしながきに『容器代』と明記されていた」ようですが、容器の提供を受けなくても請求されたそうです。

納得がいかない相談者は、この30円を支払わないといけないのかと疑問に感じているようです。法的にはどうなのでしょうか。鈴木淳也弁護士に聞きました。

テイクアウトのうどんを注文したら、利用していない容器代を上乗せした料金を請求された——。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者は、よく利用するうどん店で、店側のテイクアウト用容器ではなく、「タッパーを持参して、麺のほかにネギや天かすを入れてもらってます」といいます。

しかし、精算時に容器代として「30円」が計上されていました。相談者によると「おしながきに『容器代』と明記されていた」ようですが、容器の提供を受けなくても請求されたそうです。

納得がいかない相談者は、この30円を支払わないといけないのかと疑問に感じているようです。法的にはどうなのでしょうか。鈴木淳也弁護士に聞きました。

●容器代記載なら「料理とは別の売買目的物」と考えるのが自然

——テイクアウト用の容器を利用していないにもかかわらず、容器代として一律に30円計上された場合、支払わなければいけないのでしょうか。

このうどん店における店と客との間の契約は売買契約であると考えられます。売買契約は、申し込みと承諾により成立します。

おしながきには料理(商品)の料金とは別に容器代として30円と記載されていて、店の用意した容器を用いずにテイクアウトが可能なら、店提供の容器は「料理とは別の売買目的物」と考えるのが自然です。

したがって、客が店に対し、テイクアウトで料理を注文し、かつ持参した袋に入れるよう伝えた場合、容器については購入申し込みをしていないこととなり、客は容器代金の支払い義務を負わないと考えられます。

——容器を提供していないのに容器代を含んだ代金を請求する店側の主張は、法的にどのような意味がありますか。

客からのうどんの購入申し込みに対し、料理代金に30円を加えた金額でないと申し込みを承諾しないというものだと考えられます。店から客に対し30円加えた金額であれば売るという旨の売買契約の申し込みがなされたともいえます。

この場合、客が30円加えた金額での購入を承諾しない限り、法的には売買契約は成立しません。売買契約が成立しないのであれば、店としてはうどんの提供を拒否することとなりますし、客はうどん代金の支払い義務も負いません。

——今回のようなトラブルを避けるためには、店としてはどう対応すべきでしょうか。

法的な観点で説明すると前述のとおりですが、現実的には店か客のどちらかが折れて事を収めるのが通常でしょう。

このようなトラブルを生まないために、店としては、店側の提供する容器以外でのテイクアウトを認めないようするか、容器代といった記載をせずにテイクアウトの場合は一律1商品につき30円上乗せした金額になるという表示に改めるなど、誤解を招かない記載にするべきでしょう。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る