犯罪・刑事事件の解決事例
#遺産分割

【遺産分割】負動産を巡る攻防

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水野 遼 弁護士が解決
所属事務所水野FUKUOKA法律事務所
所在地福岡県 福岡市中央区

この事例の依頼主

80代以上 女性

相談前の状況

依頼者は、被相続人の妻である。被相続人には、前妻との間に子がおり、依頼者とは元々、良好な関係にはなかった。そのような状況で、遺産分割協議がまとまらず、弁護士に相談することとなった。

解決への流れ

被相続人には、相当程度の預貯金がある反面、山林等の土地を保有しており、一部は古い登記がそのまま残っているなど、権利関係の処理に相応の手間と費用がかかることが見込まれた。しかも、土地については固定資産評価額が著しく低く、立地的にも買い手がつくようなものではなかったため、いわゆる負動産として、相続人間でむしろ押しつけ合うようなやり取りとなってしまった。最終的に、双方に公平な解決案として、土地取得に伴うコストがなるべく平等になるように土地を割り付け、現金・預金を均等に分けることで、裁判外での合意にいたり、遺産分割協議が成立した。

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水野 遼 弁護士からのコメント

相続には財産が絡むので、相続人間の生前の関係性が良好であっても、深刻な紛争に発展することはしばしばあり得る。ましてや、もとから仲のよくない相続人間であれば尚更、冷静に話し合うことは困難、というよりほぼ不可能である。このため、双方に代理人がつくことによって、冷静な話し合いができるというのは、長い目であれば当事者にとって大きなメリットである。また、最近では、本件のように、財産的価値に乏しい割に、維持費や登記費用などがかかるいわゆる負動産の分配が問題となる事例も多い。こういう事例の場合には、そもそも不動産取得によってどのようなコストがかかるのかを正確に把握した上で、各相続人が納得出来るだけの根拠を添えた解決案を見据える必要がある。